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<< 学会誌へ戻る 【目的】高用量MPA療法は複雑型子宮内膜異型増殖症（AEHC）や筋層浸潤を伴わないIA期類内膜腺癌G1（EMG1）症例を対象とした妊孕性温存療法であるが，筋層浸潤を伴う症例は適応とならない．異型ポリープ状腺筋腫（APAM）はAEHCや子宮体癌を併発することがあるが，MRIによる筋層浸潤の評価が困難なことがある．我々は，子宮鏡下手術（TCR）では筋層浸潤が否定的で，高用量MPA療法を施行しえたAEHCまたはEMG1併発APAM 4例を経験したので，TCRによる筋層浸潤判定の意義について検討した． 【方法】術前の子宮内膜生検にてAEHCまたはEMG1と診断されたが，骨盤造影MRにて筋層浸潤を疑う所見を認めた症例のうち，APAMに併発した内膜病変を疑った4症例を対象とした．インフォームド・コンセントのうえTCRおよび子宮内膜全面掻爬を施行した．TCRによるポリープ状病変の切除に加え，筋層浸潤の評価のため正常筋層を含む浅い切除を行ったのち，子宮内膜全面掻爬を行い，それぞれを病理診断に供した． 【成績】APAMに併存した病変はAEHC2例，EMG1 2例であった．周囲の内膜組織にもAEHCやEMG1の共存を認めたが，いずれの症例もTCR後の病理診断にて明らかな筋層浸潤は確認し得なかったため，高用量MPA療法を施行し，全例で病変消失を認めた．2例はその後再発したものの筋層浸潤が疑われなかったためMPA療法を反復し，病変消失を認めた．3例はその後に妊娠が成立し，生児を得た． 【結論】EMG1またはAEHC症例で，APAMを疑うポリープ状病変を伴う場合は，MRIにて筋層浸潤が疑われても，TCRにて病理学的に筋層浸潤の評価を行い，明らかな筋層浸潤所見を確認できなければ，MPA療法を行い妊孕能温存を図り得る場合がある． 関東連合産科婦人科学会誌, 51(2) 306-306, 2014 |
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