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第113回学術集会(平成19年6月3日(日))
【シンポジウム3】
子宮頸癌に対する化学療法の動向と進歩
平井 康夫
癌研有明病院婦人科
子宮頸癌に対する化学療法の最近の動向について,日米の臨床試験の流れに基づいて概説する.併せて,日本で実施中の子宮頸癌に対する新規抗癌剤の臨床試験の概要と今後の見通しを述べる. 子宮頸癌に対する化学療法としては,元々CDDPが基本薬剤であった.しかしながら子宮頸部扁平上皮癌では,単剤でもTopotecanおよびPaclitaxelは17-18%と高い奏功率を示した.この結果,米国では現在「Paclitaxel+CDDP」と「Topotecan+CDDP」の比較試験がGOG 204としてon goingしている. 日本では子宮頸癌に対する化学療法が,術前又は術後の補助療法としても期待されている点で,米国の状況とは異なる.日本のCPT-11+CDDPの第2相試験では,子宮頸部扁平上皮癌に対して60%強の高い奏功率が報告され,注目された.日本で現在進行中の子宮頸癌に対する臨床試験としては,CPT-11+254Sの第2相試験,TP vs. TC試験,経口剤であるS-1第2相試験等があり,結果が待たれる. 今後,子宮頸癌に対するTC療法,CPT-11+254S,また経口剤としてのメリットがあるS1等の厳密な有効性評価の結果が注目される.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(2)
142-142, 2007
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