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第113回学術集会(平成19年6月3日(日))

【一般演題】
高得点演題(1)(周産期・不妊)
帝王切開術後の重症肺血栓塞栓症症例における,線溶療法の有用性と合併症の臨床的検討


市川 美和, 村山 敬彦, 上山 明美, 臼井 真由美, 斉藤 正博, 馬場 一憲, 関 博之
埼玉医科大学総合医療センター周産期センター


 【目的】妊娠は,深部静脈血栓症(DVT)と肺血栓塞栓症(PTE)のhigh riskである.JCS2004における治療指針では,右心負荷所見を認めるPTEの場合,抗凝固療法に加え線溶療法を施行することが推奨されている.しかし,帝王切開術後早期の線溶療法は,血腫形成や創部出血のriskを高めうる.当センターで経験した帝王切開術後PTEにおいて,線溶療法を追加し管理した6例について,その有用性と合併症について考察する.【対象と方法】帝王切開術後重症PTEに対して線溶療法を施行した6症例を対象.その発症時期と適応,効果,術後合併症について臨床的に検討した.【成績】術後48時間以内の発症が4例で,右心負荷所見や心肺停止を認めた症例が3例,右心負荷所見に乏しいものの気管支動脈の完全閉塞を認める症例が1例であった.術後6日と14日に右心負荷所見を認めた症例が各1例であった.全6症例で,循環動態の早期改善と救命が可能であったが,術後48時間以内発症例では,全例術後血腫形成により輸血と再開腹手術が必要となった.致死的な出血は認めなかった.【結論】術後早期の重症PTEに対する線溶療法は,術後出血のriskを高めるが,コントロールは比較的容易であった.帝王切開術後の重症PTEの治療においても,出血のriskに躊躇することなく,積極的に線溶療法を追加し,早期に循環動態を改善する必要があると考えられた.ただし,投与方法の改善により投与量の減量が可能であり,合併症を低減可能であったと推察される症例も認め,至適投与量と投与経路に関する今後の考察が必要と考えられた.また,PTEのhigh risk症例の帝王切開では,ドレーン留置が線溶療法施行時の合併症早期発見に有用である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(2) 151-151, 2007


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