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第113回学術集会(平成19年6月3日(日))
【一般演題】
高得点演題(1)(周産期・不妊) 羊水塞栓症血清検査事業 静岡県内で発症した羊水塞栓症疑い症例の解析
菊池 卓1), 木村 聡2), 平井 久也2), 河村 隆一2), 大井 豪一1), 西口 富三2), 杉村 基2), 金山 尚裕1)
浜松医科大学産婦人科1), 浜松医科大学周産母子センター2)
【目的】羊水塞栓症(以下AFE)は妊産婦死亡を起こす重大な疾患である.我々は2003年8月より日本産婦人科医会の委託を受けてAFEの血清検査事業を行っており全国よりAFE疑い症例の患者血清および臨床症状の記載された登録用紙が送付されてくる.今回我々はその中から静岡県内におけるニアミス例を含む症例の解析を行った.【方法】対象は2003年8月より2007年2月までに送られてきた検体である.全国からの検体総数は188例,静岡県内からの検体は14例(7.4%)14例中登録用紙・同意書があり解析可能な症例は12例であった.これらを集計し臨床症状および血清学的検査項目をスコア化し解析した.1.妊娠中又は分娩後12時間以内の発症,2.以下のA〜Dの症状あり(A心停止,B分娩後2時間以内の大量出血,C DIC,D呼吸不全)3.観察された所見や症状が他の疾患で説明不能,を各1点として点数化したものをAFEスコア1,Syalyl Tn(STN),C3・C4,Interleukin-8(IL-8),Zinc coproporphyrin1(Zn-CP1)の値が基準値を外れたものをそれぞれ1点として,AFEスコア1と合計したものをスコア2とした.【結果】12症例中主治医がAFEを最も疑った症例は7例,その他の疾患を疑った症例は5例(鑑別疾患:肺血栓塞栓症・心不全・脊麻ショック・弛緩出血)母体死亡例は1例,胎児死亡例は2例であった.ZnCP1の陽性例は3例,STN陽性例は1例,AFEスコア1陽性(4点以上)7例,スコア2陽性(6点以上)3例であった.【まとめ】浜松医大が検査事業をしているため県内からの症例はやや多いといえる.今回どのような症例がAFE疑いやAFEニアミス症例となったかを報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(2)
151-151, 2007
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