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第113回学術集会(平成19年6月3日(日))
【一般演題】
胎児異常(1) 異なる経過をたどった胎児上室性頻拍の二妊娠症例について
高木 司1), 伊東 敬之1), 深田 幸仁1), 星 和彦3), 渡辺 直子2), 岩本 豪紀2), 鈴木 真梨子2)
独立行政法人国立病院機構甲府病院産婦人科1), 山梨赤十字病院産婦人科2), 山梨大学医学部附属病院産婦人科3)
胎児頻脈は,長期持続した場合に心不全に至る場合があるため,早期に治療を行う必要がある.今回我々は異なる経過をたどった胎児頻脈の2症例を経験したので報告する.【症例1】26歳0回経産【現病歴】妊娠経過に大きな異常を認めていなかったが,妊娠31週3日妊婦健診受診時にFHR230bpmと頻脈を認めたため当院紹介受診となった.初診時,胎児心拍数(以下FHRと略す)220〜230bpmの頻脈を認めたが,心不全徴候,心奇形を認めなかった.母体にジギタリスを投与し,妊娠管理を行いFHR135bpm程度に正常化した.妊娠37週3日に分娩誘発を施行し2782g,Apgar score1分値9点,5分値10点の男児を経膣分娩した.【症例2】31歳0回経産【現病歴】不妊治療妊娠し,妊娠32週時より前医にて妊娠管理していた.妊娠34週5日妊婦検診受信時にFHR230bpmと頻脈を認めたため,同日当院紹介受診となった.初診時,FHR140〜150bpmと210〜230bpmの2層性の基線を持つ頻脈を認めたが,心不全徴候,心奇形を認めなかったが,頻脈時に心機能低下を認めた.妊娠34週であることから胎児治療の適応時期ではないと判断し,妊娠35週2日に分娩誘発を施行し2510g,Apgar score1分値8点,5分値9点の女児を経膣分娩した.出生後発作性上室性頻脈が出現し,ジゴキシン内服にて治療中である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(2)
154-154, 2007
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