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第113回学術集会(平成19年6月3日(日))
【一般演題】
高得点演題(2)(腫瘍) 当科における子宮頸部上皮内腫瘍に対するレーザー蒸散術の検討
仲村 勝, 藤井 多久磨, 大野 暁子, 平尾 薫丸, 中川 博之, 塚崎 克己, 青木 大輔, 吉村 泰典
慶應義塾大学医学部産婦人科
【目的】組織診により確定した子宮頸部上皮内腫瘍に対して当科で行っているCO2レーザー蒸散術の治療評価および再発のリスク評価を検討した.【方法】2000年12月から2005年5月までに当科にて蒸散術を施行し追跡可能であった140症例を対象に解析した.なお,病変を(A群:軽度異形成)2例,(B群:中等度異形成・細胞診IIIa)38例,(C群:中等度異形成・細胞診IIIb)20例,(D群:高度異形成)79例,(E群:上皮内癌)1例,と5群に分類した.また,術後6ヶ月をこえて病変(細胞診にてclassIIIb,または組織診にて高度異形成)が確認されたものを「再発」と定義し,6ヶ月以内の病変の出現は明らかな遺残としてあつかった.【成績】患者年齢,術後観察期間の中央値は,それぞれ36歳(22歳〜70歳),30.5ヶ月(1ヶ月〜66ヶ月)であった.全体での再発率は11.3%(16例/142例)であり,群別にはA群0%,B群7.9%(3例/38例),C群15.0%(3例/20例),D群12.7%(10例/79例)E群0%であった.年齢別では,20歳代4.5%(1例/22例),30歳代14.7%(11例/75例),40歳以降9.3%(4例/43例)であった.また経産別では未経産婦で12.0%(11例/92例),経産婦で10.4%(5例/48例)であった.【結論】子宮頸部上皮内腫瘍に対してのレーザー蒸散術は軽度の侵襲で治癒が期待できる治療法である.今回の成績からはB群とC群とに統計学的な有意差はみとめないものの,C群はD群と同様の扱いが必要に思われた.また,C群,D群においては再発率が高く,そのような集団に対しては,十分な蒸散と慎重な経過観察が必要と思われた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(2)
158-158, 2007
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