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第113回学術集会(平成19年6月3日(日))

【一般演題】
塞栓症
分娩後突然の呼吸循環不全をきたし心肺停止状態で搬送され羊水塞栓を疑った1症例


吉永 洋輔, 松田 秀雄, 川上 裕一, 芝崎 智子, 吉田 昌史, 長谷川 ゆり, 田中 雅子, 渡辺 昭夫, 浅井 一彦, 古谷 健一
防衛医科大学校産婦人科


 羊水塞栓症は播種性血管内凝固症候群や急性呼吸循環不全を突然発症する,母児ともに極めて予後不良な疾患である.今回我々は他院にて分娩後,弛緩出血,血圧低下,意識障害を来し院着時心肺停止状態で当院に救急搬送された羊水塞栓を疑う一例を経験したので報告する.44歳,0経妊0経産,自然妊娠,子宮腺筋症合併.妊娠経過に特に異常なし.37週6日,陣痛発来にて前医入院.分娩経過中,過強陣痛及び遅発一過性徐脈認め,緊急帝王切開目的にて手術室入室するも,経腟分娩となった.Apgar score 3/5にて他院に新生児搬送.母体は分娩直後より弛緩出血,血圧低下,呼吸障害,意識障害を来し,当院当科救急搬送となる.院着時瞳孔散大,対光反射なし,頚動脈触知せず,心電図上洞調律のため,pulseless electrical activity(PEA)と診断し,救急部の協力のもと心肺蘇生を行った.心拍再開後一旦PEAとなるも,再度心拍回復.重症DICであり,子宮からの出血が持続していたため子宮動脈塞栓術(UAE)施行し,ICUに入室した.第3病日,腹水貯留及び貧血の進行のため子宮全摘術施行.第7病日,開腹止血術及び血腫除去術施行.入院時の頭部CT,MRIで明らかに脳萎縮,信号異常を認めたが,第24病日に意識回復した.臨床症状の急激な悪化から羊水塞栓を疑い検索を行ったが,母体血中Zn−CPは陽性,STNは陰性であった.現在病理検査等で検索中である.臨床所見,重篤な血液凝固異常等から原因として羊水塞栓が強く疑われた.治療には大量の輸血,子宮全摘等の手術処置,長期にわたるICUでの全身管理が必要であった.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(2) 161-161, 2007


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