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第113回学術集会(平成19年6月3日(日))
【一般演題】
塞栓症 当院における治療前に発症した血栓塞栓症の検討
吉岡 範人, 鈴木 直, 吉岡 伸人, 五十嵐 豪, 森川 香子, 和田 康菜, 奥田 順子, 大熊 克彰, 小林 陽一, 木口 一成, 石塚 文平
聖マリアンナ医科大学産婦人科
【目的】近年本邦においても周術期における静脈血栓塞栓症(VTE)の発症数は増加しており,産婦人科領域では,過去10年間で下肢静脈血栓症と肺血栓塞栓症の発症頻度がそれぞれ3.5倍,6.5倍に増加している.これまでに我々は悪性腫瘍手術,BMI値25kg/m2以上,輸血施行が婦人科癌における術後VTE発症に関わるリスクとなると報告してきた.特に婦人科癌の中では術前には卵巣癌が,術後には子宮体癌がVTE発症の高リスク群であるとされているが,子宮頚癌におけるVTE発症のリスクに関する報告は多くない.そこで今回我々は当院で治療前に発症した子宮頚癌患者におけるVTEのリスクに関わる検討を行った.【結果】当院で婦人科癌の中でVTE発症数は2005年1月〜2007年2月までの間に15例認められた,その中で術前症例は11例であった.(子宮頚癌2例,子宮体癌例1,卵巣癌8例)子宮頚癌の2症例は,年齢が比較的若くBMIも正常範囲であり,さらに組織型はともに腺癌であった.【まとめ】症例数はすくないものの,子宮頚部腺癌が,治療前に発症した子宮頚癌患者におけるVTE発症のリスクとなる可能性が示唆された.子宮頚部腺癌は近年増加傾向にあり,術前VTE発症のリスクとの関連について更なる検討が必要であると考える.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(2)
163-163, 2007
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