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第113回学術集会(平成19年6月3日(日))
【一般演題】
子宮頸癌(1) PET-CT検査が有用であった再発子宮頸癌の一例
櫻井 信行, 立岡 和弘, 橋本 裕子, 岩崎 真也, 松本 光之
静岡市立清水病院産婦人科
近年,婦人科悪性腫瘍の診断にFDG-PET検査が応用され普及しつつある.PET検査は病巣を検出する感度には優れるものの,空間分解能の低さや解剖学的な位置の把握のしづらさが指摘されていた.PET-CT検査はそれを補うためにFDG-PET検査とCT検査と組み合わせたものである.今回我々は,術後5年で再発が疑われた子宮頸癌の症例に対してPET-CT検査を行ったところ再発部位を同定でき,その後の治療方針決定に有用であった症例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する.症例は54歳,3経妊3経産.平成13年6月に子宮頸癌1B1期(大細胞角化型扁平上皮癌)の診断にて広汎子宮全摘術を施行,左外腸骨節および右閉鎖節へのリンパ節転移を認めたため全骨盤への放射線照射を45Gy追加した.その後外来にて経過観察中,術後5年でSCCの上昇を認め,CT検査で傍大動脈および左総腸骨リンパ節の腫大認めたため再発を疑い,部位の正確な同定のためPET-CT検査を施行した.PET-CT検査では膨大動脈リンパ節から左総腸骨節への集積を認めたため単独部位の再発と判断し手術を行った.リンパ節は大動脈・左総腸骨動脈への浸潤を認めたため,全摘出はせずに1/2程度の摘出を行った.その他の部位への転移所見は認めなかった.再発腫瘍の病理組織診断は原腫瘍と同組織型であった.現在抗癌剤同時併用放射線治療を行っている.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(2)
165-165, 2007
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