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第113回学術集会(平成19年6月3日(日))
【一般演題】
子宮頸癌(1) Squamo-transitional cell carcinoma(STCC)であった子宮頚癌の一例
斎藤 元章1), 西井 寛1), 黒田 浩1), 拝野 貴之1), 石渡 巌1), 新家 秀1), 鈴木 永純1), 中林 豊1), 安田 允1), 田中 忠夫2)
東京慈恵産婦人科1), 東京慈恵会医科大学産婦人科2)
子宮頚癌におけるSquamo-transitional cell carcinoma(STCC)は極めてまれである.STCCは,組織学的にはcervical intraepitherial neoplasia grade3(CIN3)に類似していると言われている.また,臨床的には不正性器出血にて発見されることが多く,治療後かなり時間が経過した後で遠隔転移や局所再発を認める症例が報告されており注意を要する.今回,我々はSTCCであった子宮頚癌の1例を経験したので報告する.症例は,47歳の2経妊2経産,不正性器出血を主訴に前医を受診.子宮膣部・頚管部の細胞診にてclass Vであったため当院紹介受診となった.子宮頚部生検では,STCCであった.画像上,子宮頸部に5cm大の腫瘍と子宮体部・膣への浸潤を認めた.さらに,傍大動脈・総腸骨・外腸骨領域のリンパ節腫大を認めた.腫瘍マーカーは,SCC 10.6ng/ml,CEA 456.2ng/ml,CA125 582U/mlであった.広汎性子宮全摘術+両側付属器摘出術+リンパ節(骨盤)郭清術を施行した.術後の病理診断は,Squamo-transitional cell carcinoma(STCC),pT2bN1Moリンパ節転移陽性(10/19)であった.後療法として放射線同時化学療法を施行.現在,再発徴候を認めていない.本症例は,極めてまれな症例であり若干の文献的考察を加えその詳細を報告したい.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(2)
166-166, 2007
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