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第113回学術集会(平成19年6月3日(日))
【一般演題】
子宮体部悪性腫瘍(1) 婦人科腫瘍と鑑別を要した腸間膜原発脂肪肉腫の一例
小野 修一, 三浦 敦, 市川 雅男, 阿部 裕子, 石川 源, 米山 剛一, 明楽 重夫, 竹下 俊行
日本医大産婦人科
脂肪肉腫は軟部悪性腫瘍の中では最も頻度の高い疾患であるが腸間膜に発生する悪性腫瘍としては比較的稀である.今回,巨大な腹腔内充実性腫瘍を認め卵巣,子宮由来を考えて婦人科入院となったが精査により外科疾患が疑われ手術を施行し,腸間膜原発の脂肪肉腫であった症例を経験したので報告する.症例は34歳,未経妊.腹部膨満感出現し消化器内科を受診.超音波,CTにて腹腔内に右尿管,IVCを圧迫する直径20cm大の充実性の腫瘍を認め婦人科疾患疑われ婦人科紹介となった.MRIで骨盤内〜下腹部に25×25×11cmのT1強調でlow,T2強調でhighを呈する充実性腫瘍を認めた.子宮との連続性は明らかではなく,両側卵巣は正常大で確認された.原発臓器同定のため施行した血管造影において,腫瘍は右結腸動脈,回結腸動脈,中結腸動脈からの細い分枝により造影されていた.大腸造影では直腸〜上行結腸の通過は良好であり粗大隆起性病変は認めなかった.以上より婦人科系腫瘍は否定的であり,腸間膜発生腹腔内腫瘍と診断し外科転科の上手術施行したところ,腫瘍は腸間膜より発生しており,腫瘍摘出手術と腸間膜を含めた小腸部分切除術を施行した.病理組織学的検査ではmyxoid type liposarcomaであった.術後経過は良好で現在経過観察中である.腹腔内腫瘍を診断する上で非婦人科系腫瘍をあることを念頭において診療する必要を感じたため若干の文献的考察を加えて報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(2)
168-168, 2007
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