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<< 学会誌へ戻る 【はじめに】子宮体部癌肉腫は子宮悪性腫瘍の中では2-3％を占めるに過ぎず，他の肉腫を合わせても5％以下とされている．今回我々は子宮体部癌肉腫で癌腫成分が低分化腺癌で一部神経内分泌系へ分化する稀な組織型を呈した症例を経験したので報告する．【症例】64歳，3経妊3経産，55歳で閉経．不正出血を主訴に来院．内診上は子宮は双手拳大で可動性は良好，圧痛はなかった．膣・頚管細胞診はclassII，子宮内膜細胞診はclassVで類内膜腺癌のG3疑いであった．経膣超音波検査では子宮内膜は35.1mmと非常に肥厚していた．MRI検査では子宮体部にT2強調画像で低信号〜高信号が不均一に混在する腫瘤像が認められた．その他の画像検査にて遠隔転移は認めなかった．血液検査ではα1アンチトリプシンが軽度上昇している以外は異常はなかった．手術療法として準広汎子宮全摘術，両側付属器切除術，骨盤リンパ節郭清術を施行した．肉眼所見は淡黄色の肉腫成分の内側に壊死を伴った癌腫成分が認められた．組織所見は低分化の小細胞癌様の癌腫成分と軟骨組織を伴った肉腫成分が混在していた．脈管侵襲は著明で，特殊染色ではsynaptophysinが陽性など一部神経内分泌系へ分化する組織も散見された．術後診断はIc期のため術後化学療法を施行中である．癌肉腫は上皮性間葉性混合腫瘍で一般に進行が早く，子宮体部原発の非上皮性腫瘍の中では最も予後が悪い．このため早期発見し，早期に外科的に切除する事が肝要である．また，早期からリンパ節転移を認める事，再発してからの予後は1年未満といわれており後療法の確立が望まれる． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(2) 170-170, 2007 |
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