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第113回学術集会(平成19年6月3日(日))
【一般演題】
子宮体部良性腫瘍(2) Gn-RH agonist投与により筋腫分娩となった粘膜下筋腫の2例
合阪 幸三1), 有田 白峰1), 長阪 一憲1), 松岡 良1), 国府田 きよ子1), 板橋 香奈2)
東京日立病院産婦人科1), 三楽病院産婦人科2)
巨大粘膜下筋腫のため術前にGn-RH agonistを投与し,開腹手術を予定していたところ筋腫分娩となったため経膣的に切除した症例を経験したので報告する.症例1:頸部付近の粘膜下筋腫で,強度の貧血もあったため,Gn-RH agonist先行投与後に筋腫核出を予定していた.Gn-RH agonist3回の投与により筋腫は縮小し性器出血も消失したが,3回目投与後2週間後に不正出血をきたし来院した.膣内に脱出した筋腫を認めたため,外来手術により経膣的に切除した.切除後の不正出血は認められなかった.症例2:頸部〜体部にかけて直径10cmの巨大粘膜下筋腫があり,過多月経により貧血も認められたため,Gn-RH agonist4回先行投与後に核出術を予定した.入院後の診察により,膣内に脱出した筋腫が認められたため,開腹術の準備下に経膣的に切除術を施行した.切除後,子宮鏡にて子宮腔内を観察し,根部を焼灼,切除した.今回の症例はいずれも子宮下部付近の粘膜下筋腫であったが,このような筋腫ではGn-RH agonist投与により子宮体部筋が収縮することにより押し出され,筋腫分娩となる可能性が示唆された.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(2)
177-177, 2007
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