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第113回学術集会(平成19年6月3日(日))

【一般演題】
合併症妊娠(4)
慢性炎症性脱髄性多発性神経炎(CIDP)合併妊娠・出産の1例


町田 弘子, 阿部 江利子, 鈴木 麻水, 秋谷 文, 藤田 聡子, 榊原 嘉彦, 酒見 智子, 塩田 恭子, 齋藤 理恵, 板坂 俊典, 栗下 昌弘, 佐藤 孝道
聖路加国際病院産婦人科


 慢性炎症性脱髄性多発性神経炎(CIDP)は,筋力低下と知覚障害を主症状とする女性には稀な多発性神経炎である.経過は様々で慢性進行性をたどることもあれば,増悪と寛解を繰りかえすこともある.今回CIDP合併妊娠の1例を経験したので報告する.症例は25歳,初妊婦で2002年5月CIDPを発症.免疫グロブリン大量療法に反応せず,定期的なプレドニン(PLS)パルス療法とPLSとAzathioprine(AZP)の内服治療を行っていた.2006年4月を最終月経として自然妊娠.妊娠の経過中もPLSとAZPの内服は継続した.22週頃よりCIDPの増悪のため,PLSミニパルス療法を行った.症状は完全寛解しなかったが進行もせず妊娠を継続した.38週1日に陣痛発来し同日経膣分娩した.児は2796g男児でApger1分値は9点,先天異常は認めなかった.産褥期,授乳は中止した.症状の増悪はなく分娩6日目に退院した.この症例の問題点の一つは,妊娠前,妊娠中,産褥期を通して内服したPLSとAZPが児に及ぼす影響がある.PLS,AZPともに動物実験では催奇性があるが,ヒトでの影響は小さいと考えられる.このため妊娠は継続し,妊娠中も服用を継続した.しかし,産褥期は児への影響が長期に及ぶので患者と話し合いの上,授乳は中止した.もう一つの問題としては妊娠・出産とCIDPが相互に及ぼす影響である.本例では,相互の影響はわずかと考えられる.妊娠中,分娩後に症状が増悪した報告もある.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(2) 187-187, 2007


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