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第113回学術集会(平成19年6月3日(日))

【一般演題】
合併症妊娠(4)
妊娠後期発症した壊血病の一例


岡山 潤, 鶴岡 信栄, 加来 博志, 井上 万里子, 尾本 暁子, 生水 真紀夫
千葉大学医学部附属病院婦人科周産期母性科産科


 【症例】26歳,2経産.近医にて妊婦健診施行.妊娠36週ごろより紫斑が見られ,全身倦怠感および食思不振,口内炎,味覚障害があったが,妊婦健診は定期的に受診していなかった.妊娠39週の健診時,両大腿にびまん性に点状出血を認めたため,血液検査を施行した.2日後,陣痛発来にて前医受診.血小板値は6.3万/mm3であったが,分娩進行中(子宮口8cm開大)であったため,前医分娩後当科紹介搬送となった.来院時,腟壁より出血傾向を認めた.右手背,下腿に皮下出血をみとめ,左大腿の皮下出血は融合して広範囲の皮下出血となっていた.問診上,食生活は偏っており,カップ麺やコンビ二の弁当などが主体であったとのことであった.血液検査にて,血小板減少,大球性貧血を認めた.翌日,血液内科にて骨髄検査施行.過形成性骨髄であり,巨赤芽球性変化を認め,明らかな芽球の増生はなかった.骨髄像からは,巨赤芽球性貧血・骨髄異形成症候群などが疑われた.ビタミン等の検査にて,ビタミンB12,葉酸,亜鉛の減少を認め,ビタミン不足のための大球性貧血および血小板減少と考え,治療を開始した.ビタミン剤,葉酸,鉄剤を点滴,内服で投与したところ,血小板は速やかに改善,ヘモグロビン値も徐々に上昇し,産後20日の時点で大球性貧血もほぼ改善した.【結語】栄養状態が良好な現在の日本では,妊娠悪阻以外での栄養不良によるビタミン摂取不良はまれである.しかし,食事の偏向により,通常の生活を送っている様でもビタミン不足に陥ることもあり,妊娠中の食事指導の重要性を改めて認識させられた症例であった.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(2) 188-188, 2007


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