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<< 学会誌へ戻る 子宮破裂は約3000分娩に1例と稀な疾患であるが，児の予後に関わるだけでなく，母体死亡に至る場合もある．今回，妊娠初期より出血を認め，妊娠34週で経腟分娩となるも子宮破裂を来たした1例を経験したので報告する．症例は33歳，2経妊1経産．妊娠8週より出血，絨毛膜下血腫のため前医に入院．その後も出血は持続，腹緊も増強したため，妊娠26週当院紹介され，切迫早産の診断で入院となった．入院後，腟洗浄，抗菌薬およびウリナスタチン腟錠挿入を連日施行し，塩酸リトドリン点滴投与した．その後も出血は持続したが血腫の増大は認めなかった．妊娠32週頃より出血は減少し，血腫も縮小したが，子宮収縮は増強した．妊娠34週1日に高位破水，妊娠34週5日に炎症反応上昇を認めたため，Tocolysisを中止し，その後自然陣痛発来し，同日経腟分娩となった．児は1928g男児，Apgar scoreは1分後6点，5分後9点でNICUに入院となった．分娩後，後腟円蓋まで達する頸管裂傷を認めたため，裂傷縫合術を施行した．縫合後出血は少量となったため，腟内にヨードホルムガーゼを挿入し圧迫止血を行ったが，その後も出血は持続し止血困難であったため，単純子宮全摘出術を施行した．摘出検体は，子宮漿膜は保たれていたが，頚管裂傷は子宮体部側壁に達しており，不全子宮破裂と診断した．病理組織所見は子宮頸部壁に2ヶ所の裂隙が存在し，ここに接する子宮壁に肉芽組織の形成が見られた．胎盤には6x6x1cm大の梗塞巣とvilli間のフィブリン沈着，絨毛膜下血腫を認めた．術後経過良好で，11病日に退院となった． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(2) 189-189, 2007 |
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