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第113回学術集会(平成19年6月3日(日))

【一般演題】
胎児異常(4)
NSTでSinusoidal patternを認めたFetomaternal transfusion syndromeの一例


印出 佑介1), 岡崎 大武1), 勝部 乙大1), 菊池 芙美1), 朝倉 禎史1), 五十嵐 健治1), 茆原 弘光1), 渡辺 美千明1), 黒瀬 圭輔1), 鴨井 青龍1), 河村 堯1), 竹下 俊行2)
日本医科大学千葉北総病院産婦人科1), 日本医科大学産婦人科2)


 母児間輸血症候群(Fetomaternal transfusion syndrome,FMTS)は胎児失血性貧血の原因疾患の一つで,何らかの機序により胎児血が母体血液内に流入して胎児貧血を生じる疾病である.胎児および新生児は貧血に基づく症状を呈し,急激な大量出血は周産期死亡の原因となりうる.今回我々は切迫早産で入院管理中にNSTでSinusoidal patternを呈し,胎児貧血を疑った症例に対して緊急帝王切開術を施行し,重症貧血の新生児に集学的治療を施して救命しえたFMTSの一例を経験したので報告する.症例は25歳,0回経妊0回経産,血液型はB型RhD陽性で不規則抗体陰性であった.特記すべき家族歴や既往歴はなかった.妊娠28週で子宮頸管長の短縮に胎胞膨隆と子宮口開大を認め,切迫早産の診断で陣痛抑制と安静臥床による入院管理を開始した.胎児発育や羊水量は週数相当であった.妊娠34週3日で胎動の減少を自覚し,NSTでSinusoidal patternを認めた.胎児や胎盤の形態学的異常はないも,BPS 4/10点(羊水量正常)からNon-reassuring fetal stateの適応で緊急帝王切開術を施行した.出生体重2382g/身長48.2cm(AFD児)の女児で第一啼泣は良好であった.Apgar score 8点(1分)→8点(5分),羊水混濁はなく臍帯頸部巻絡を2回認めた.新生児は出生時より全身蒼白でHb 4.5g/dLと重症貧血を呈し,輸血を含む集学的治療を行って良好に経過した.手術直前の母体血液検査でHbF 9.0%,AFP 36367ng/mLからFMTSの診断に至った.NSTでSinusoidal patternを認めた場合は胎児溶血性貧血以外にも胎児失血性貧血を念頭に置く必要があり,本症例で推測された発症機序や胎児貧血の進行経過などを若干の文献的報告を交えて考察する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(2) 196-196, 2007


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