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第113回学術集会(平成19年6月3日(日))
【一般演題】
胎児異常(4) 分娩時に双胎間輸血症候群を急激に発症し,早産に至ったMD twinの2例
松浦 広明, 牧野 康男, 梅崎 泉, 春名 由美子, 野村 秀高, 三谷 穣, 松田 義雄, 太田 博明
東京女子医科大学産婦人科学教室産婦人科
双胎間輸血症候群(TTTS)は1絨毛膜2羊膜双胎(MDtwin)の10〜20%に発症し,妊娠中に発症するTTTSに対しては胎盤吻合血管レーザー凝固術が注目されている.しかし,分娩時に発症する急性TTTSにも留意が必要である.今回我々は急激にTTTSを発症し,早産に至った自然妊娠によるMD twin2例を経験したので報告する.【症例1】35歳.1経妊1経産.妊娠25週0日,供血児(I児)の不整脈のため当院精査入院.I児に肺動脈狭窄と心房性期外収縮(PAC)を認めた.妊娠33週2日に体重差18%(1460g/1780g)を認めたがBiophysical profile scoringは良好であった.妊娠33週3日,I児に再度PACが出現したが,両児に羊水量の差や胎児水腫の所見などは認めなかった.7時間後の超音波検査で,I児に羊水過少,受血児(II児)に心嚢液貯留を認め,stuck twinの診断で緊急帝王切開を施行した.I児は1560g,II児は1879g(体重差17%)であったが,児の皮膚色と胎盤はI児が赤色,II児は蒼白で,reversed TTTSと診断した.【症例2】30歳.1経妊1経産.妊娠28週0日より切迫早産にて前医入院中,妊娠32週2日に前期破水となり,当院へ母体搬送となった.入院時の体重差は15%で,羊水量に差は無かった.妊娠32週5日に自然陣発し,緊急帝王切開で,陣痛発来後2.5時間で児を娩出した.I児とII児の体重およびHb濃度は,1468g/1894g(体重差22%)と9.6/22.9g/dlで,急性TTTSと診断した.II児は出生後に部分交換輸血を施行した.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(2)
197-197, 2007
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