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第113回学術集会(平成19年6月3日(日))

【一般演題】
感染症他
胎児腹水により発見されたサイトメガロウイルス症候性感染の一例


沢田 直子, 山本 祐華, 氏平 崇文, 楠木 総司, 丸山 真由子, 阿部 弥生, 永井 富裕子, 田口 雄史, 阿部 礼子, 田嶋 敦, 野島 美知夫, 吉田 幸洋
順天堂大学医学部附属順天堂浦安病院産婦人科


 サイトメガロウイルス(CMV)胎内感染症は,先天性ウイルス感染症の中で最も頻度が高いと言われているが,産科管理方法が確立していないことなど問題点が多い疾患である.また近年,本邦での妊婦におけるCMV抗体保有率の低下が報告され,その感染の増加が懸念されているが,症候性感染児に関する報告は少ない.今回妊娠16週で胎児腹水を呈したことからCMVの症候性感染児と診断した一例を経験したので報告する.【症例】27歳,2経妊2経産.近医にて妊婦健診を受けていた.母体には,発熱等特記すべき症状は認めなかった.妊娠16週5日の妊婦健診の際に胎児腹水が認められたため,妊娠17週3日TORCH感染症などの原因検索を行った.トキソプラズマ凝集160倍未満,パルボウイルスB19-IgG 0.43 パルボウイルスB19-IgM 0.60,風疹HI 64倍であったが,CMV-IgG 37.0 CMV-IgM 7.52と抗体価の上昇を認め,CMV感染症が疑われた.また経時的に腹水の増加を認め,妊娠19週6日に当院紹介受診.超音波上BPD37.6mm(−2.5SD),脳室内石灰化ははっきりしなかったが,著明な腹水貯留を認めた.羊水穿刺を行いReal time PCR法にてCMV DNAを定量したところウイルスD量は7.7x105と高値を示した.以上により,CMV感染による症候性感染児と診断した.児の予後ならびに胎内治療について両親と相談したところ,人工妊娠中絶を選択することになった.児は在胎20週1日で体重205g,身長19.5cmの男児であり,明らかな外表奇形は認めなかった.【結論】妊娠中期に胎児腹水が認められた場合,CMV感染症を念頭に置き,的確な診断を行う必要性がある.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(2) 203-203, 2007


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