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第113回学術集会(平成19年6月3日(日))
【一般演題】
感染症他 妊娠中の母体体重増加量に関する検討
太田 篤之, 渡り 綾子, 稲垣 徹訓, 福井 雅子, 依田 綾子, 糸賀 知子, 西岡 暢子, 小堀 宏之, 長沢 敢, 山本 勉
越谷市立病院産婦人科
【目的】非妊時の体重や妊娠中の母体体重増加の変化によって母体および胎児への影響があることはよく知られている.母体と胎児への影響を非妊時のBMIと妊娠時の体重増加量の係わり合いの中でどの様に胎児妊婦情報が得られるか否かについて検討することを目的とした.【方法】2006年1月から2006年12月までの当院で分娩した症例のうち多胎,胎児奇形,母体合併症,早産を除く600例を対象に非妊時のBMIを痩せ,標準,肥満群に分け,母体体重増加量を増加不足,至適,増加過剰群に分けた.これらを緊急帝王切開率,分娩時出血量,出生時体重,臍帯動脈血pH別に比較した.データは平均値±標準誤差で表し統計学的解析はStudent T-testを用いて行いp<0.05を有意差ありとした.【成績】緊急帝王切開率では肥満の群が分娩遷延による緊急帝王切開率の上昇を認めた.分娩時出血量は痩せ,標準,肥満のいずれの群でも有意な差は認められなかった.しかし出生時体重は標準と肥満の群で母体体重増加量の増大に伴い,有意に上昇することが認められた(標準:増加不足2944±39.8 至適3021±21.7 増加過剰3132±31.4,肥満:至適3011±78.4 増加過剰3265±84.7 p<0.03).臍帯動脈血pHでは肥満の群で至適群に比べ増加過剰群で有意に低下した(至適7.309±0.01 増加過剰7.286±0.01 p<0.05).【考察】肥満の群で母体体重増加過剰により児の出生時体重の増加だけでなく分娩遷延による緊急帝王切開率が上昇するため積極的に栄養指導を行う必要があると考えられる.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(2)
205-205, 2007
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