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第113回学術集会(平成19年6月3日(日))
【一般演題】
感染症他 家庭医との連携によるセミオープンシステムの試み
鈴木 真, 秋本 菜津子, 石黒 共人, 杉林 里佳, 山本 由紀, 吉川 和美, 古賀 祐子, 藤原 礼, 古澤 嘉明, 北岡 芳久, 清水 幸子, 亀田 省吾
亀田メディカルセンター産婦人科
【目的】当院は当該診療圏内において唯一の分娩を取り扱う病院施設として,年間約1000件の分娩を行っている.そのため長時間におよぶ診療待ち時間や遠方からの受診など患者負担が問題となっている.平成18年6月,家庭医療を中心としたサテライトクリニックを約40km離れたT市に開設した.それに伴い,以前より産婦人科研修に力を入れていた家庭診療科の協力の下に家庭医による妊婦健診を行うことを試みたので報告する.【対象・方法】開院当初は家庭医により初期対応のみ行ったが,平成18年10月以降は当院産婦人科から指導医を週一回派遣することにより,家庭医が妊婦健診を行った.KFCTでの診療は妊娠36週までの妊婦健診のみとし,以後は当院を含めた分娩施設に紹介した.またリスクのある症例については専門医と相談の上,適切な施設での管理を依頼することとした.また,当院との診療内容に整合性を持たせるために妊婦健診内容や電子カルテシステムを統一した.【結果】平成18年6月〜平成19年2月20日までで78人の妊婦健診受診者があった.9月までは29人,10月以降は49人が受診し,このうち21名がすでに当院に紹介されている.また,現在は30人がKFCTで定期的な妊婦健診を行っており,このうち18名が当院での分娩を希望している.【結論】家庭医療を中心としたクリニックにおいて産婦人科医の指導の元に妊婦健診を行うことを試みた.健診システム(内容・記録)の統一化により,中核病院との連携はスムーズであった.周産期医療の提供が少ない地域において,われわれ家庭医が妊婦健診の一部を担うことで,地域住民のニーズへの対応だけでなく,産婦人科医の負担軽減への一助になることが示唆された.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(2)
205-205, 2007
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