|
<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る
第113回学術集会(平成19年6月3日(日))
【一般演題】
子宮外妊娠 当院における子宮外妊娠の経腟的アルコール局注療法の成績
市川 剛1), 長田 尚夫1), 柿沼 俊行1), 山本 範子1), 永石 匡司1), 松浦 眞彦1), 山本 樹生1), 竹原 祐志2), 貝嶋 弘恒2), 寺元 章吉2), 加藤 修2)
日本大学産婦人科1), 加藤レディースクリニック産婦人科2)
【目的】近年βhCG測定法や超音波断層機器の進歩により子宮外妊娠の早期診断が可能となり,治療法の選択が多様化してきた.貝嶋らは子宮外妊娠におけるMTX局注療法に変わる治療法として,アルコール局注療法の有効性を報告してきた.当院では平成18年5月より当院の倫理委員会の了承の上,本人の同意を得て経腟超音波ガイド下アルコール局注療法を行っている.今回当院における子宮外妊娠のアルコール局注療法の成績について検討した.【方法】対象は2006年5月から2007年1月までに当科を受診した子宮外妊娠症例17例である.23ゲージPTCD針を用いて経腟的超音波ガイド下に無水エタノールの局注を行い,その効果を局注後2時間で治療前ならびに治療後の血中βhCG値の推移をもって判定した.【成績】アルコール固定療法は全例に行い,妊娠部位は卵管部8例 子宮間質部7例 子宮頚管1例 腹膜妊娠1例であった.11例(64.7%)がアルコール局注のみで治療に成功し,単回の局注療法で有効であった症例は4例であった.1回の局注療法に要したアルコール量は0.5ccから最大2.0ccであった.3例はアルコール局注の効果を認めるも不完全な為に追加療法としてMTXを7.5mg×5日間〜10mg×5日間内服又は50mg/body筋注し治療し完治している.3例はアルコール局注するも不成功の為に腹腔鏡にて子宮外妊娠根治術を施行した.6例においてアルコール局注2ヶ月後,子宮卵管造影を行ったがアルコール局注部位を含め異常所見を認めなかった.【結論】無水エタノール局注の手技は比較的容易であり短時間で効果が判断できることから,子宮外妊娠例に対する保存的治療法として経腟的アルコール局注療法が有用であると考えられる.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(2)
208-208, 2007
|