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第113回学術集会(平成19年6月3日(日))
【一般演題】
生殖・内分泌 光線力学的療法(PDT)後に融解胚移植を行い妊娠に至った一例
山崎 香織, 竹内 欽哉, 村上 浩雄, 菊池 卓, 加茂 亜季子, 高田 佳世子, 大井 豪一, 金山 尚裕
浜松医大産婦人科
近年若年者の子宮頸癌の増加が指摘されている.生殖年齢のCINの治療は,レーザー照射や円錐切除術が行われるが,円錐切除後に不妊治療を行う場合,頚管の狭窄のため子宮内へのカテーテル挿入困難がおこる.また,円錐切除後に妊娠した場合,preterm PROMや早産のリスクが上昇することが報告されている.今回我々は,不妊治療中にCIN IIIと診断され,体外受精,光線力学的療法後に融解胚移植を行い妊娠に至った一例を経験したので報告する.症例は30歳,未経妊で平成14年5月に不妊を主訴に近医を受診した.細胞診でclass IIIa,翌月の組織診ではmoderate dysplasiaであった.一般不妊検査および卵胞モニターを行いながら,細胞診を定期的に行った.15年12月に細胞診class IIIbであったため再度組織診を行ったところsevere dysplasiaであった.16年3月の細胞診断でもclass IIIbであり,またこの時点で不妊治療開始から約2年経過していたため,PDTおよびIVF-ET目的のため当科紹介となる.同年7月に当科初診,体外受精施行,20個採卵され,OHSS回避のために全胚凍結を行った.その後10月にPDT施行,12月には細胞診もclass IIとなった.17年5月の細胞診でもclass IIであったため,7月に融解胚移植(胚盤胞1個)を行い単胎妊娠成立した.18年4月に40週で3010gの男児を正常分娩し,同年10月の細胞診でもclass IIであり,再発を認めていない.当科でのPDT後の妊娠例,不妊治療中のCIN治療例についてもあわせて報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(2)
210-210, 2007
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