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第113回学術集会(平成19年6月3日(日))

【一般演題】
生殖・内分泌
子宮内膜の骨化が原因と思われた続発性不妊の一例


高田 全1), 青木 宏明1), 杉本 公平1), 窪田 尚弘1), 林 博2), 斉藤 隆和2), 田中 忠夫2)
富士市立中央病院産婦人科1), 東京慈恵会医科大学産婦人科2)


 子宮内膜の骨化は,胚の着床を阻害し,不妊の原因になると言われている.しかし,稀な疾患であるため,日常診療においては見過ごされ,不妊原因の診断に苦慮することがある.今回我々は,子宮内膜の異所性骨組織を子宮鏡下手術にて摘除し,妊娠の成立に成功した続発性不妊症例を経験したので報告する.症例は35歳,1経妊0経産(18歳時妊娠3ヶ月にて自然流産).27歳時に他院にて体外受精を3回施行するも妊娠せず.当院初診時超音波検査にて子宮内膜に高輝度に描出される領域を認めた.MRI検査を施行したが,同部位には異常所見がみられなかった.人工授精を6回試みたが妊娠せず,体外受精へ移行した.卵巣刺激前周期に子宮頚管拡張術を施行したにも関わらず,移植用のカテーテルが挿入困難であったため,胚を凍結保存した.超音波画像で高輝度に描出される部位が影響している可能性を考え,診断目的にて子宮鏡下手術を施行した.子宮内腔後壁に白色の腫瘤を認め,摘除した.病理検査結果は骨組織であった.その後,融解胚移植を施行したが,妊娠しなかった.しかし,内膜の骨化が不妊の原因であったと考え,人工授精を再施行したところ,妊娠が成立した.子宮内膜の骨化の報告症例の多くは流産の既往がある.その成因は胎児骨の遺残や炎症による化生と考えられている.不妊症例では子宮鏡下手術やD&Cによる摘除後に妊娠したという報告が多い.超音波画像では特徴的な所見を示すため,この疾患を念頭に置けば診断は比較的容易である.しかし,稀な疾患であるために診断,治療が遅れることがあり,注意が必要である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(2) 212-212, 2007


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