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第113回学術集会(平成19年6月3日(日))

【一般演題】
思春期・更年期・老年期
骨盤臓器脱修復術後の尿路感染


松本 譲二1), 高橋 通1), 永田 一郎2)
小川赤十字病院産婦人科1), 埼玉医科大学産婦人科2)


 【目的】骨盤臓器脱では術前に尿路感染を合併しているものも多く,また骨盤臓器修復術後の尿路感染は再発と関係があるという報告もある.このため骨盤臓器修復術後の追跡調査を行い,尿路感染の有無を検討した.【方法】当科にて手術を行った36例の症例の術前,術後約1ヶ月,術後平均16ヶ月(6-30)での尿培養所見,尿沈渣(白血球数)を比較した.症例の平均年齢は64.4歳(45-78)であった.手術術式は33例で腟式子宮全摘出,前後腟壁形成,ケリー法に仙棘靭帯固定,子宮仙骨靭帯固定,McCall法のいずれかを施行した.細菌数103/ml以上を尿培養陽性とした.【成績】尿培養陽性率は術前,術後1ヶ月,術後16ヶ月ではそれぞれ33.3%,58,3%,13.9%で,それぞれの陽性率間で有意差がみられた.尿沈渣白血球数はそれぞれ14.1±4.6,14.4±3.8,3.6±2.2HPFで術後16ヶ月の値は他の二者より,有意に低値を示した.また尿培養の結果と尿沈渣白血球数の関係は,尿培養陽性例と陰性例では尿沈渣白血球数は術前と術後16ヶ月では有意差がみられたが,術後1ヶ月では有意差がなかった.【結論】術前の尿培養陽性率は33%であり,骨盤臓器脱の症例には尿路感染の検査が必要であり,陽性例には適切な治療が必要であると言えよう.術後1ヶ月の高率の尿路感染は,大部分の症例で一過性のものと考えられる.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(2) 214-214, 2007


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