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第113回学術集会(平成19年6月3日(日))
【一般演題】
卵巣腫瘍1 悪性腫瘍との鑑別が困難であったMeigs症候群の一例
井澤 朋子, 松澤 由記子, 橋本 玲子, 塩川 滋達, 矢島 正純, 岩下 光利
杏林大学産婦人科
Meigs症候群は胸腹水を伴う卵巣充実性腫瘍で悪性腫瘍との鑑別に困難を来たすことがある.今回我々は大量腹水とCA125の異常高値を示し,卵巣癌との鑑別に苦慮した症例を経験したので報告する.【症例】51才1経妊1経産の女性で腹部膨満感を主訴に近医受診.超音波,MRIにて充実性の腫瘤と多量の腹水を認め当科紹介受診となった.【入院時所見】CA125:1516U/ml,CA72-4:4.9U/ml,SLX:55.8U/mlと高値を示し,胸部CT上肺野に病変は認めなかったが右側優位な両側性胸水を認めた.腹部CT上88×146mmの内部不均一な腫瘤を認め,MRI上一部充実性の両側卵巣腫瘍を認めた.上部,下部消化管内視鏡検査においては慢性胃炎以外には特に異常を認めなかった.【経過】卵巣癌の疑いにて単純子宮全摘,両側付属器切除術および大網切除を施行した.腹水は3500mlで術中迅速細胞診は陰性であった.手術当日の胸部X線検査にて両側胸水は消失し,術後腹水の貯留は認めず,経過良好にて術後14日目に退院となった.最終の病理組織診断では左卵巣原発のTheco-fibromaであった.この症例に若干の考察を加えて報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(2)
216-216, 2007
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