 |
|
  |
|
         
|
<< 学会誌へ戻る 治療困難な重症子宮腺筋症は，不妊のみならず月経困難症や過多月経を伴い，長期にわたるホルモン療法や鎮痛剤の服用を余儀なくされ，時に子宮摘出に至るケースも少なくない．我々は，本人の同意のもと，臨床症状の改善，妊孕能温存ならびに妊娠に耐え得る子宮壁の再建を目的とした子宮筋3重フラップ法による腺筋症摘出術を行い，その有効性について報告してきた．今回，同手術施行後，妊娠，分娩に至った双胎妊娠症例を報告する．症例：38歳，2GP0．5年間の不妊のために，前医にて体外受精を受けていた．2度の反復流産および強度の月経困難症を主訴に，当院に紹介となった．子宮後壁に腺筋症を認め，子宮筋3重フラップ法による腺筋症摘出術を行った．術後3ヶ月目に妊娠を許可し，初回月経後，自然に双胎妊娠が成立した（二絨毛膜二羊膜双胎）．妊娠26週5日より管理入院，切迫早産の兆候もなく，また，胎児発育も順調に経過していた．妊娠34週3日に自然破水，同日帝王切開術を施行した．2157g男児，Apgar score 7/8点，2002g女児，Apgar score 9/10点で出生した．開腹所見では，子宮壁の菲薄化は認められず，子宮後面の手術創は，シート状フィブリン接着剤（タココンブ）の貼付周囲に軽度の膜状癒着を認めた．術後経過は良好で，術後9日退院となった．最近，筋腫核出術，あるいは腺筋症摘出後の子宮破裂症例が散見されているが，今回，フラップ法による腺筋症摘出術後，双胎妊娠の妊娠分娩を経験したことから，本術式は，妊孕能温存ならびに妊娠に耐え得る子宮壁の再建に有効な術式であると考えられた． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(2) 222-222, 2007 |
||
|
一般社団法人関東連合産科婦人科学会事務局 〒102-0083 東京都千代田区麹町4-7 麹町パークサイドビル402 株)MAコンベンションコンサルティング内 TEL：03-3288-0993 FAX：03-5275-1192 E-mail：kantorengo@jsog-k.jp Copyright (C) 一般社団法人関東連合産科婦人科学会 |