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第113回学術集会(平成19年6月3日(日))
【一般演題】
子宮腺筋症・子宮筋腫 帝王切開術後に発生した腹壁子宮内膜症の3症例
鈴木 真梨子, 笠井 剛, 深澤 宏子, 端 晶彦, 平田 修司, 星 和彦
山梨大学産婦人科
20代から40代の女性において腹壁に有痛性の腫瘤を認めた場合,鑑別すべき診断として腹壁ヘルニア(瘢痕ヘルニア),膿瘍,腫瘍(悪性,良性),腹壁子宮内膜症などがあげられる.今回,我々は2005年1月から2007年1月までの2年間で帝王切開術後に生じた腹壁子宮内膜症症例を3症例経験した.年齢は23歳〜42歳で,いずれも下腹部の有痛性の腫瘤が主訴であり月経時に症状の増悪を自覚していた.全例に帝王切開術の既往があり,術後2〜8年経過後,その瘢痕部に一致して腫瘤を認めた.腫瘍径は2〜3cm大であった.術前に行った精密検査のMRI検査では2症例はT1強調画像,T1脂肪抑制画像ともに部分的に高信号を呈し子宮内膜症を疑われたが,1症例はT1強調画像及びT2強調画像で低信号を呈しdesmoid腫瘍が疑われた.加療のため3症例とも摘出術を施行し,病理組織学的に全例子宮内膜症と診断された.腹壁子宮内膜症3症例を検討し,症状,画像所見,鑑別診断,治療方針について文献的考察も加えて報告するとともに,鑑別疾患としてあげられるdesmoid腫瘍症例を提示する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(2)
223-223, 2007
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