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第113回学術集会(平成19年6月3日(日))
【一般演題】
手術・その他(1) Cloacogenic adenocarcinomaの1例
植原 貴史1), 笹島 ゆう子2), 尾島 英知3), 澤田 守男1), 恩田 貴志1), 加藤 友康1), 笠松 高弘1), 山田 拓郎1)
国立がんセンター中央病院婦人科1), 国立がんセンター中央病院病理2), 国立がんセンター研究所病理3)
総排泄腔(Cloaca)組織の遺残から発生するCloacogenic adenocarcinomaは肛門の腫瘍として発生することが知られているが,腟から外陰にかけて発生することは非常に稀であり,数例が報告されているに過ぎない.今回我々はこの稀な腫瘍を経験したので報告する.症例は79歳,2ヶ月続く性器出血を認め,前医初診したが細胞診に異常なく,経過観察.3ヶ月後に腟壁より出血があったため前医再診し組織診施行して腟癌と診断.当院紹介され,後腟壁から外陰部にかけて存在するMucinous adenocarcinomaと診断し,腟外陰単純切除術施行.摘出検体は,粘液産生像を認める高分化腺癌からなり,周囲の重層扁平上皮や皮膚付属器との連続性が見られず,背景にendometriosisやectopic breast tissueなども認めないこと,免疫染色の結果によりcolonic type mucinous epitheliumを発生母地とするCloacogenic adenocarcinomaと診断.術後2年8ヶ月を経過するが,再発徴候は認めていない.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(2)
223-223, 2007
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