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第113回学術集会(平成19年6月3日(日))
【一般演題】
手術・その他(1) 外陰部に両側性に発生した平滑筋腫の一例
亀ヶ谷 杏子, 坂本 秀一, 濱田 佳伸, 友部 勝実, 矢追 正幸, 堀中 俊孝, 榎本 英夫, 大蔵 健義
獨協医科大学越谷病院産婦人科
外陰部に平滑筋腫が発生するのは稀であり報告例も少ない.今回我々は,外陰部に両側性に発生した平滑筋腫の一例を経験したので報告する.症例は43歳,女性.外陰部両側の腫瘤,歩行時の障害を主訴に来院した.月経は順調で30日型・整・月経随伴症状なし.3 G−2 P.既往歴では,26歳時に両側の外陰部腫瘍を摘出しており,筋腫と診断されている.家族歴に特記事項なし.診察上,左右大陰唇に径が約10cmの表面は滑で硬い充実性腫瘍を認めた.内診では子宮は手拳大で,右卵巣は鶏卵大の嚢腫を触知した.経腟超音波断層法では,子宮に径6cm,7cmの筋腫核を認め,右卵巣には径が26mmと53mmの2胞性の卵巣嚢腫を認めた.MRIでは,子宮には径6,3.7,7cmの子宮筋腫を認め,右卵巣に6.5x3cmの嚢胞性腫瘤を認めた.また両側外陰部に腫瘍を認め,境界は明瞭でT2強調画像で子宮筋腫と同様の信号強度を示したが,造影では信号強度がやや異なっていた.血算・生化学検査ではHb 10.8g/dlの軽度貧血を認めた以外は正常範囲であった.腫瘍マーカーではCA125,CA199,CA72-4,CEA,AFPはすべて正常範囲であった.子宮細胞診は頸部:class 1,体部:negativeであった.以上より,子宮筋腫,右卵巣嚢腫,両側外陰部腫瘍の診断にて,腹式単純子宮全摘術,右附属器切除術,両側外陰部腫瘍摘出術を施行した.摘出標本の病理診断は,子宮筋腫,右卵巣嚢胞腺腫,外陰平滑筋腫であった.外陰部に平滑筋腫が見られることは稀であり,文献的考察を加えて報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(2)
224-224, 2007
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