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第113回学術集会(平成19年6月3日(日))

【一般演題】
手術・その他(2)
X/XY性腺形成不全症の両側索状性腺を腹腔鏡下に摘出した一例


黒川 敦子, 島貫 洋人, 菊地 盤, 北出 真理, 武内 裕之, 竹田 省
順天堂大学医学部産婦人科


 X/XY性腺形成不全症は原発性無月経を呈する性染色体異常の一つであり,表現型は男性型,中間型,女性型と多岐にわたるが,gonadoblastomaを高率に発生する.X/XY性腺形成不全症の両側索状性腺を腹腔鏡下手術により摘出した一例を経験したので報告する.【症例】22歳,未婚.未経妊.原発性無月経を主訴に近医受診,精査目的に当科紹介受診.初診時外性器は女性型を示すも発達不良を認め,乳房,恥毛もTannerの分類でそれぞれ第2期,第1期とであった.染色体検査は46,XY/45,Xのモザイクであった.ホルモンはLH:12.3mIU/mL,FSH:38.9mIU/mL,E2:15.3pg/mL,T:0.19ng/mLであった.内診上7cmの腟を認め,またMRI上子宮の存在を確認し,プレマリン®とプロベラ®によるKauffmann療法を開始した.また,FISH法にてSRY認めたため,gonadoblastoma発生のリスクに関するインフォームドコンセントを得た後,腹腔鏡手術を施行した.子宮はやや小さく卵管は正常,性腺は両側とも索状性腺であった.LigaSureAtlas(Valleylab社)で索状性腺を切除した.性腺は紡錘形細胞からなる卵巣間質に類似した組織で占められ,悪性所見は認めなかった.現在外来にてKauffmann療法継続中である.原発性無月経の診察においては染色体検査が重要であり,Y染色体のcomponentを有する場合には,性腺への悪性腫瘍の発生を考慮して,侵襲の小さな腹腔鏡手術により性腺摘出術を行うことが望ましい.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(2) 225-225, 2007


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