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第113回学術集会(平成19年6月3日(日))
【一般演題】
手術・その他(2) 腹腔鏡下手術におけるセプラフィルムの使用法についての検討
土屋 雄彦, 内出 一郎, 林 秀隆, 渡辺 慎一郎, 豊泉 孝夫, 前村 俊満, 森田 峰人
東邦大学産婦人科
腹腔鏡手術において,術後癒着の予防のためのセプラフィルム貼付の方法を考案したので報告する.腹腔鏡手術では開腹手術のように自由に鉗子操作,貼付作業を行うことが困難で,水分除去が不完全になりやすく,貼付することが困難であった.今回我々が考案した方法にて比較的スムーズに貼付できたので報告する.貼付する部位,順番を十分に確認し,恥骨上2横指から挿入した12mmトロッカーより,エックス線入りガーゼを腹腔内に挿入,十分に水分を除去する.セプラフィルムを紙フォルダごと腹腔内に挿入しやすい大きさに細分する(通常6分割もしくは9分割).切り出したセプラフィルムを紙フォルダごと,端の部分をペアンで挟み,径10mm程度以下になるように巻き込む.メリーランド鉗子に10mmリデューシングスリーブを通し,ペアンで挟んだセプラフィルムの反対側を先のメリーランド鉗子で挟み,セプラフィルムをリデューシングスリーブ内にゆっくり引き込ませ,完全にスリーブ内に引き込んだところでペアンをはずす.そのまま12mmトロッカーにリデュージングスリーブごと挿入したのち,鉗子を腹腔内にゆっくり挿入し,貼付予定位置近くに落とす.貼り込みやすい方向の紙フォルダをはずし,そのままもう一方の紙ごとセプラフィルムを挟んで,貼付する部位へ鉗子で運び,押しつける.この状態で,セプラフィルムは漿膜に十分に張り付くので,鉗子を離し,紙の上からセプラフィルム全体を押しつけて,セプラフィルムを貼付する.紙フォルダをはずし,12mmトロッカーから腹腔外に取り出す.この方法を用いることで,比較的貼付しにくい子宮後面や,卵巣嚢腫摘出部位でも貼付することが可能となった.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(2)
226-226, 2007
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